『A3!』通称エースリーは、立花いづみが、父が立ち上げた劇団「MNKAIカンパニー」の再興を目指し新たな役者や監督探しに奔走するという話になります。
集まってくる新人団員たちは誰しもワケありであり、それぞれの胸の内が交錯するストーリー展開も実に人間味があって良いと人気があります。
エースリーのシーズンには『SPRING&SUMMER』、『AUTUMN&WINTER』の二つがあり、それぞれ春組、夏組、秋組、冬組の様子が描かれています。
春夏秋冬の組名は「劇団四季」を彷彿とさせることもあり、劇団好きにはたまらない要素もばっちり含まれています。
『SPRING&SUMMER』のシーズンは全部で12話あり、そのうち1話から5話が春組のもの、6話から12話が夏組のものとなっています。
このシーズンの最終話はもちろん夏組の話になります。
それでは、このシーズンの最終話ではどんなラストが待ち受けているのか、見ていきましょう。
ネタバレが苦手な方はご注意ください。
Contents
『A3! SEASON SPRING&SUMMER 』夏組のこれまでのお話(6話~11話)
天才子役として名を馳せた皇天馬を中心に個性豊かなメンバーが夏組に集結します。
役者として色々な経験を積んできた、完璧主義の天馬は、合宿中でも練習中でも関係なく厳しい言葉で指導に当たります。
そんな天馬に対してメンバーからの強い反発が出たり、仲間意識が薄れたりと一度はバラバラになってしまう夏組ですが、旗揚げ公演のために再び一つになろうと努力します。
旗揚げ公演に選ばれた演目は「千夜一夜物語」。
アラビアンナイトの話を、全員主役で喜劇として公演することに決まったのでした。
旗揚げ公演が近づく中で、天馬は自分の過去と対峙しようとしていました。
親との関係も修復すべく、あれこれ手を尽くすのですが、天馬の気持ちは伝わりません。
いよいよ公開目前のゲネプロでは、なんと完璧を誇っていた天馬が大ミスをやらかし、散々な結果になります。
本番はいかに・・・。
『A3! SEASON SPRING&SUMMER』12話、泣いても笑ってもこれが最終公演!
前日のゲネプロでは大失敗をしでかした夏組は、それぞれに精神的なダメージを受けます。
特にダメージを受けた天馬は、過去にも同じことがあったと皆に告白します。
舞台恐怖症でありながら、あえて映画の出演を断って舞台に再度挑戦していた天馬の熱い気持ちを知り、夏組は気持ちを新たに一つになることを決心します。
天馬の舞台恐怖症が一日、二日で治るものはないと分かった他のメンバーは、天馬の様子を察しながら機転の利いたアドリブで天馬のフォローをしました。
これが上手くいき、夏組の旗揚げ公演初日は大成功に終わります。
しかし、旗揚げ公演最終日は、天馬ではなく幸が緊張してしまい、いつものようにいきません。
これまでの感謝を込めて、舞台恐怖症である天馬が一芝居打ちます。
それが団員の心を和ませ、皆いつも以上の演技をし、華々しいラストを飾るのでした。
天馬は両親からも認められ、過去の克服に成功したのでした。
夏組の話のサブストーリーは皇天馬の成長物語
天馬は現役スターである俳優の両親を持ち、自身も天才子役として名を馳せてきました。
しかし小学校の学芸会の劇で悲劇は起こります。
なんと、簡単なセリフがすっかり飛んでしまったのです。
天才子役として活躍してきた天馬にとって、たかだか小学校の劇で失敗するなど考えられませんでした。
大きなショックと共に舞台恐怖症になり、演技からも遠ざかることになりました。
スター俳優の両親の顔にも泥を塗る行為だったことから、天馬は俳優になる夢を諦めるように両親からも説得されてしまいます。
しかし、何よりも演技することが好きだった天馬は、とにかく舞台恐怖症を克服する必要があると考え、この「MNKAIカンパニー」で再帰の道を探したのです。
偉そうにみんなに指示ばかりする天馬ですが、メンバーからの反発や異議を受けて、「俳優」の前に「人」であるということを自覚し直します。
皆の熱い気持ち、演技に対する真摯な気持ちを感じ取り、自分も過去と対峙、成長しなくてはならないと決意を新たにしていきます。
結果として、皆の優しい助けと熱い気持ちで天馬は舞台恐怖症を乗り越えることができました。
しかし、夏組を通じで天馬が得たものは舞台恐怖症の克服だけではなかったといえるでしょう。
人を信じること、自分の気持ちに正直になることなど、人として絶対に忘れてはいけない大切なものに気付かされたのでした。
だから最終公演では仲間を気付かうアドリブだって自然にできるようになっていたのです。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
これまでスポ根のような熱いアニメはありましたが、演技をテーマにした熱いアニメというのは他に類をみません。
演技はあまり興味がないという人でも、一人間の成長、仲間との絆、何かに対して熱中する熱い気持ちを見たいという人であれば、このエースリーにハマってしまうこと間違いないでしょう。
夏組のストーリーは全6話なのであっという間でしたが、旗揚げ公演に向けて、全力疾走していく夏組メンバーの頑張りは応援せずにはいられませんでした。
ラストで見せ合う夏組が築き上げた最高の絆は拍手ものです!
ぜひこの感動を見逃さないで下さい!